なぜ、コンプレックスを持ったオンナほど、最高なセックスをするのか

「セックスが好き」と公言すると、必ずと言っていいほど浴びる言葉がある。「あの顔で?」「あの体型で?」という容姿に対する批判だ。どうやら人々は、性の享楽は外見の美しさや若さという「対価」を支払った者にのみ与えられる報酬だと思い込んでいる。

図を見て欲しい。縦軸を「容姿」、横軸を「性に対する奔放さ」とすると、右上に位置するのが「容姿も良く、欲望に正直な女」、そして右下に位置するのが「容姿は悪いが、欲望に正直な女」である。この二つの層こそ、最も対照的でありながら、性の場において強烈な力を発揮する。

まず右上は、オトコたちにとって理想の存在と言える。彼女たちは自己肯定感が高く、全能感に溢れており、自分を受け入れる余裕があるからこそ、他者も大らかに受け入れられる。セックスの場では恥じらいに縛られず、我慢せずに声を出し、時に騎乗位で積極的に動く。受け身ではなく能動的であるため、快楽を素直に表現できる。さらに好奇心と探究心が強く、性をタブー視していない。日常生活の充実と性の充実が連動しているため、彼女たちのエネルギーは生き方そのものに張り巡らされている。

だが勘違いしてはいけないのは、彼女たちは誰とでも寝るわけではないということだ。SNS上で小火を起こすような、ただの「ヤリマン」とは違い、質の悪いカロリーは消費しない。彼女たちは選択眼が鋭く、自分と同じく探究心の高いハイスペックな男を見定める。そして自ら狩りに出る態勢を持っているため、この「能動性」と「選択眼」が、右上の女を最上位に押し上げている。

次に右下。「容姿は悪いが奔放な女」だ。一見、階級的には下層に見えるが、実はこの層にしかない強烈な武器がある。容姿へのコンプレックスは、多くの場合ブレーキになる。だが彼女たちは、「容姿は弱点でも、セックスでは相手を満足させられる」という自覚が芽生えると、性を容姿コンプレックスを補うどころか「武器」へと転換する。結果として、外見に縛られず、より奔放に振る舞うようになるのだ。また、自分に自信がなかったオンナも、性における相手の満足度が分かると、そのまま自分の承認欲求を満たしていく。相手を喜ばせ、求められることで「自分も価値がある」と感じ、承認欲求と性の奔放さが直結しているのである。

さらに彼女たちの中には、「ブスがセックスを楽しんで何が悪い?」という極めて真っ当な開き直りタイプもいる。羞恥心が薄いため、変態的な要求にも柔軟に応じやすい。たとえば「アナル舐めてもいい?」と問われても、「あぁ」とシンクの水回りを拭くくらいの軽やかさでそれに応じる。これは美人の奔放タイプにはない能力であり、むしろ美人よりも実用的な価値を提供できる。だからこそ、風俗嬢として人気嬢にランクインするのは、実はこの右下の層に多いのである。

以前、都内で人気の風俗嬢に会ったことがある。容姿だけを見ればどこにでもいる女だったが、会話を重ねるうちに「なるほど」と納得する特徴が見えてきた。まずよく笑う、いわゆるゲラであること。下ネタにも寛容で、男の言葉を受け止める反射神経が早い。そして、相手の承認欲求を的確に満たす術を本能的に知っている。容姿が武器にならないぶん、セックスの場で全力を尽くす姿勢が、逆に強烈な魅力となるのだ。右上の女は美しさと能動性で理想を体現し、右下の女はコンプレックスを力に変えて実用的価値を提供する。それぞれに異なる武器があり、どちらも「性」という場を通じて強烈な存在感を放つのである。

(後編へ続きます)